
プロジェクトがうまくいかない──。その原因が、プロジェクトを任せたプロジェクトマネージャー(PM)にあることは珍しいことではありません。多くの企業やプロジェクト管理の現場では、PMを担える人材がなかなか育たないということが大きな課題となっています。
この記事では、プロジェクトマネージャーの育成に関するよくある悩みやPMの育成が難しい理由を詳しく解説します。記事の監修は、現役のプロPMとして数々のプロジェクトを成功に導いているタカハマプロジェクト代表 高濱幸喜さんです。プロマネの育成支援も行っている高濱さんだからこそ語れる、育成成功のポイントもあわせて紹介します。
PM育成に悩むプロジェクトオーナーや人材開発担当の方は、ぜひ記事を最後まで読み、参考にしてみてください。タカハマプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーの育成をご支援しております。PM育成にお悩みの方は下記ボタンよりお気軽にお問い合わせください。
プロジェクトマネージャーは自然には育たない
プロジェクトマネージャーは、経験を積ませていけば自然に伸びていくだろう──。そう考えていませんか?
もちろん経験はPMにとって非常に重要ですが、経験を重ねていけば自然に育っていくものではありません。現場任せや自己流の育成に終始していると、正しいスキルや判断力が身につかず、成功とは言えないプロジェクトが続く結果になってしまうかもしれません。
優秀なプロジェクトマネージャーに育てるには、計画的な仕組みが必要です。まずは、なぜプロジェクト管理の現場でPM不足が深刻化しているのかを見ていきましょう。
プロジェクト失敗の背景にあるのは“優秀なPM不足”
IT業界を中心に、「プロジェクトが炎上する」「納期に間に合わない」といった失敗が後を絶ちません。それらの失敗の原因に挙げられるのが、計画ミスや進捗管理の甘さ、関係者間の調整不足といった点です。
つまり、プロジェクトの総責任者であるプロジェクトマネージャーの人材不足や未熟さが、プロジェクト失敗の引き金になっているのです。このような現場を招いたのは、現場に任せきりの育成体制といった理由も背景にあるのかもしれません。
優秀なPMへの需要は年々高まっている
ビジネスのスピードが加速し、プロジェクト単位で業務を進める組織が増えています。ビジネス環境が急速に変化している中、多くの組織ではプロセスやシステムがますます複雑化してきています。
つまり「プロジェクトを成功に導ける人材」、優秀なPMへの需要がさらに高まっているのです。
特にITや製造など変化が激しい分野では、PMのリーダーシップが成果を大きく左右します。そのため、企業間での優秀なPMの獲得競争が激しくなっており、プロマネ育成の重要性は年々増しています。

どの企業でも必ずなにがしかのプロジェクトが稼働しているのではないかと思います。
ようなプロジェクトの成功に大きく影響するのがプロジェクトマネージャーですが、実際にプロジェクトをうまく回して成功に導けるとなると、なかなかいないというのが実情だと思います。
ですので、フリーランスの優秀なプロマネとなると本当に争奪戦となりがちです。
プロジェクトマネージャーの育成が難しい3つの理由
プロジェクトマネージャー育成の難しさは、属人化や不明確な基準、そしてスキルの多様さにあります。
ここから多くの現場でPMがなかなか育たない「3つの原因」について解説します。
理由1. PM個人の経験知への依存が大きい
多くのPMは「現場で学んだ感覚」をベースに動いています。そのため暗黙知が多く、育成が体系化されにくいのです。
“先輩の背中を見て覚える”というスタイルでは、属人化が進み、組織全体としてのスキル継承が困難になります。この属人性が、PM育成を難しくしている最大の要因です。
理由2. 育成方法が確立されていない
PM育成のノウハウが社内に蓄積されていない企業は少なくありません。OJTだけではカバーできない要素も多く、指導者側のスキルにもばらつきがあります。
その結果、育成の質が安定せず、PM候補者が自信を持てないまま案件を任されることも。体系だった育成プログラムの整備は、多くの企業で課題にあがっているかもしれません。
理由3.求められるスキルの幅が広い
PMに求められるのは、技術力だけではありません。スケジュール・予算・品質管理に加え、チームビルディングや顧客対応など、多様なスキルが必要です。
これらを同時に鍛えるのは困難であり、育成には時間と段階的な設計が不可欠です。広範なスキルへの理解が育成を難しくしています。
コミュニケーションの取り方は人の数だけスタイルが存在すると思っています。しかしながら、プロジェクトの進め方や管理の仕方は独自のスタイルに方より過ぎない方が良いと考えます。PMBOKなどの標準化された知識を活用することで、共通の用語や知識を使って進めることができます。
また、できる人がいると、その人に頼り切りになり、後進を育成しないという事もいろんな組織で見てきました。結果的には組織にとってリスクとなってしまうため、誰かに頼り切りになるという状況はできるだけ避けられるようにしていく必要があります。
プロジェクトマネージャーを育成する方法
PMを計画的に育成するためには、本人の特性を見極めながら、段階的に経験と学びを積ませていくことが重要です。
次に、具体的な育成ステップを紹介していきます。
PMの向き不向きを見極めることもポイント
すべての人がPMに向いているわけではありません。だからこそ、早い段階で適性を見極めることが育成成功の第一歩です。
プロジェクトマネージャーに向いている人の特徴
- 責任感が強く、課題に対して前向きに取り組める人。
- 他者との調整をいとわず、コミュニケーションが得意な人。
プロジェクトマネージャーに向いてない人の特徴
- プレッシャーに弱く、優先順位をつけて動くのが苦手な人。
- 自分のペースで仕事したいタイプには、PM職は合わない傾向があります。
プロジェクトの経験を積み重ねる
PM育成には「現場経験」が不可欠です。まずは小規模プロジェクトのサブリーダーやPMO補佐として関わるところから始めましょう。
その中で、計画・調整・進捗管理などの実務を経験することで、PMとしての視点や判断力が育ちます。段階的に経験を積ませる設計が重要です。
プロジェクト管理の基礎を学べる研修を受講する
実務だけで学ぶには限界があります。だからこそ、外部の専門研修を活用するのが効果的です。
計画立案、WBS作成、リスク管理などを体系的に学べる研修で、土台を固めましょう。特に経験の浅いPMには、基礎から段階的に学べる講座が適しています。
個人・法人問わず気軽に相談できるおすすめのトレーニング
タカハマプロジェクトでは、PM育成を支援するトレーニングを提供しています。現役のプロPMが講師となり、現場で使えるノウハウを実践形式で習得可能。個人受講はもちろん、法人向けのカスタマイズ研修も対応可能です。
「PMを育てたいけど、どうすれば…」という方、まずはお気軽にご相談ください。
ここで説明していることを簡単に言えば、プロマネに向いている人が経験を重ね、さらに研修などで理解を深めるという事を繰り返していくことで優秀なPMは育っていくということになります。
これはプロマネに限ったことではなくいろんなジャンルの職業にも言えることではないかと思います。
PM不足を解消し、プロジェクトを成功へ導く第一歩を!
PMの育成は、企業の持続的成長に欠かせない取り組みと言えます。とはいえ「人を育てる」には時間も仕組みも必要になります。お伝えしたように、PMの育成は属人化しやすい領域だからこそ、計画的に取り組む必要があります。
本人の適性を見極め、段階的に経験と知識を積ませる。そして、現場任せにせず、社内外の支援を活用することが、PM不足を解消し、プロジェクトを成功へ導く第一歩と言えるでしょう。
本記事を監修してくれた高濱さんが代表を務めるタカハマプロジェクトでは、PM育成支援を行っています。プロジェクトマネジメントについて学べるトレーニングコースを、「ビギナー向け」「PM経験者向け」にそれぞれご用意しております。
PM育成にお悩みの方は、下記のボタンよりお気軽にお問合せください。