PMP資格は、プロジェクトマネジメントの知識や実務経験を国際的に示せる資格です。プロジェクトマネージャー(PM)としてキャリアアップを目指す方や、社内のPM育成を強化したい企業にとって、有力な選択肢の1つになります。
一方で、PMP資格について調べている方のなかには、「受験資格にどの程度の実務経験が必要なのか」「2026年改定後の新試験は難しいのか」「合格率や勉強時間はどのくらいなのか」「費用に見合う価値はあるのか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、PMP資格保有者監修のもと、PMP資格の概要、2026年改定後の新試験で変わったポイント、受験資格、難易度、勉強時間、費用、取得するメリットを解説します。PMP資格取得を検討している方や、社内のプロジェクト体制を整理したい方はぜひ参考にしてください。
PMP資格とは?2026年改定後の新試験で変わったポイント
PMP資格とは、Project Management Professionalの略で、PMIが認定するプロジェクトマネジメントの国際資格です。
PMP資格は、特定の業界や国に限定される資格ではありません。IT、製造、建設、金融、医療、サービス業など、さまざまな分野のプロジェクトで活用できます。
2026年7月にはPMP試験が改定され、AI、サステナビリティ、ステークホルダーエンゲージメント、価値提供、事業インパクトなど、現在のプロジェクト環境を反映した内容がより重視されるようになりました。
PMPはPMIが認定するプロジェクトマネジメントの国際資格
お伝えしたようにPMPは、PMIが認定するプロジェクトマネジメントの国際資格です。
PMIとは、Project Management Instituteの略で、プロジェクトマネジメントに関する標準や資格を提供する国際的な団体です。PMP資格は、PMIが定める受験要件を満たし、試験に合格することで取得できます。
PMP資格で示せるのは、単なる知識だけではありません。プロジェクトをリードした経験、関係者を巻き込む力、予測型・アジャイル型・ハイブリッド型の進め方を理解し、状況に応じて判断できる力も含まれます。
そのため、PMP資格は、PMとして一定の実務経験を持つ方が、自分の知識や経験を体系的に整理し、対外的に示せることを証明するための資格といえます。
PMP資格は日本の国家資格ではない
PMP資格は、日本の国家資格ではありません。PMIが認定する国際資格です。
日本で「プロジェクトマネージャーの資格」と聞くと、IPAが実施する国家資格のプロジェクトマネージャ試験を思い浮かべる方もいるでしょう。プロジェクトマネージャ試験は、情報処理技術者試験の高度試験区分の1つで、IT系プロジェクトやシステム開発領域との親和性が高い資格です。
一方、PMP資格は、業界横断でプロジェクトマネジメントの知識と実務経験を示しやすい資格です。IT系に限らず、製造、建設、金融、業務改革、新規事業、DX推進など、幅広いプロジェクトに応用できます。
どちらが優れているというより、目的によって選ぶ資格が異なります。国内のIT系PMとして専門性を示したい場合はプロジェクトマネージャ試験、国際的・業界横断的にPM力を示したい場合はPMP資格が候補になります。
2026年7月のPMP試験改定で変わったこと
PMP試験は、2026年7月に改定されました。
改定後の新試験では、プロジェクトマネジメントの基本的な考え方を維持しながら、現在の実務環境に合わせたテーマが強化されています。
主な変更点は以下です。
- AI、サステナビリティ、ステークホルダーエンゲージメントをプロジェクトシナリオの中で扱う
- 成果、価値、事業インパクトへの意識をより重視する
- People、Process、Business Environmentの出題比率が見直された
- 予測型、アジャイル型、ハイブリッド型の進め方を横断的に扱う
- 実務に近いシナリオ型・ケース型の問題が重視される
2026年改定後のPMP試験では、単に用語やプロセスを暗記するだけでは対応しにくくなっています。プロジェクトの状況を読み取り、PMとしてどのように判断し、関係者を動かし、価値につなげるかを考える力が求められます。
PMP試験とPMBOK Guide第8版は同じものではない
PMP試験とPMBOK Guide第8版は、同じものではありません。
PMBOK Guideは、プロジェクトマネジメントの知識体系や実務上の考え方をまとめた標準的なガイドです。一方、PMP試験は、PMとして必要な知識や判断力を測るための認定試験です。
PMP試験では、PMBOK Guideの内容も重要ですが、試験範囲はPMBOK Guideだけに限定されるわけではありません。PMP Examination Content Outlineに基づき、People、Process、Business Environmentの各領域で、実務に近いタスクや判断が問われます。
そのため、PMP試験対策では、PMBOK Guideを読むだけでなく、試験内容アウトライン、シナリオ問題、アジャイルやハイブリッドの考え方、ビジネス価値に関する視点もあわせて学ぶ必要があります。
PMPは、用語や手法を暗記するための資格ではありません。実際のプロジェクトでも、計画どおりに進まない状況で「PMとしてどう判断し、どう行動するか」が常に問われます。
実務をイメージしながら学ぶことが、試験対策としても、その後のPM業務にも役立ちます。
PMP資格の受験資格|実務経験・35時間研修・取得までの流れ
PMP資格は、誰でもすぐに受験できる資格ではありません。PMIが定める受験資格を満たす必要があります。
特に重要なのは、学歴に応じたプロジェクト管理経験と、35時間のプロジェクトマネジメント教育です。受験を検討する際は、まず自分の学歴、実務経験、研修受講状況を確認しましょう。
学歴によって必要なプロジェクト実務経験が異なる
PMP資格の受験資格では、学歴によって必要なプロジェクト実務経験が異なります。
PMI公式情報では、学歴に応じて以下のような経験要件が示されています。
| 学歴・教育区分 | 必要なプロジェクト管理経験 |
|---|---|
| 高校卒業、GED、Secondary/Upper School Certificateなど | 5年のプロジェクト管理経験 |
| Associate DegreeまたはVocational Trade School Diploma | 4年のプロジェクト管理経験 |
| Bachelor’s Degree以上 | 3年のプロジェクト管理経験 |
| PMI GAC認定プログラムの学士号または大学院学位 | 2年のプロジェクト管理経験 |
ここでいうプロジェクト管理経験とは、単にプロジェクトに参加した経験ではありません。計画、意思決定、成果物の提供、関係者対応など、プロジェクトを管理する立場で責任を持った経験が対象になります。
また、経験期間は重複して数えない点にも注意が必要です。複数のプロジェクトに同時期に関わっていた場合でも、同じ期間を二重にカウントすることはできません。
PMP受験には35時間のプロジェクトマネジメント教育が必要
PMP受験には、35時間のプロジェクトマネジメント教育が必要です。
この35時間は、PMP試験を受けるための重要な要件です。PMI公式では、PMP Exam Prep Course、PMI Authorized Training Partnerによる研修、PMI GACプログラム、CAPM資格、第三者の研修コースなどが対象として示されています。
ただし、2026年後半以降は、ライブ形式の研修要件に関して変更が予定されています。ライブ研修で35時間を満たす場合は、PMI Authorized Training Partnerや、PMIが認める教育機関によるコースかどうかを確認する必要があります。
企業でPMP取得支援を行う場合は、受講者が35時間要件を満たせる研修であるか、試験改定後の内容に対応しているかを確認することが重要です。単に一般的なプロジェクトマネジメント研修を受けるだけでは、PMP受験要件として認められない可能性があります。
PMP資格を取得するまでの5ステップ
PMP資格を取得するまでの流れは、大きく5ステップに分けられます。
| ステップ | 内容 | |
|---|---|---|
| 1. | 受験資格を確認する | 学歴、実務経験、35時間研修の要件を確認する |
| 2. | 申請する | PMIの申請画面で、プロジェクト経験や教育履歴を入力する |
| 3. | 試験対策を行う | 試験内容アウトライン、PMBOK Guide、模擬問題などを使って学習する |
| 4. | 試験を受ける | 申請承認後、試験予約を行い、会場またはオンラインで受験する |
| 5. | 資格を維持する | 取得後は継続的に学習し、PDUを取得して資格を更新する |
PMP資格取得では、申請準備にも時間がかかります。特に、プロジェクト実務経験の記載では、どのプロジェクトで何を担当したのかを整理する必要があります。
受験資格を満たしているか不安な場合は、学歴、担当プロジェクト、期間、役割、成果を事前に棚卸ししておくとよいでしょう。
PMP試験日は固定ではなく、申請後に予約する
PMP試験日は、年に数回の固定日程で一斉に実施される形式ではありません。
PMIへの申請が承認され、試験料の支払いが完了すると、受験者自身が試験日を予約します。試験は、Pearson VUEのテストセンターで受ける方法と、オンライン監督付きで受ける方法があります。
そのため、「PMP資格の試験日はいつか」と調べる場合は、固定の試験日を探すのではなく、自分の申請状況と予約可能な日程を確認する必要があります。
受験スケジュールを立てる際は、以下を逆算しましょう。
- 35時間研修を修了する時期
- 申請書類を準備する時期
- 申請承認までの期間
- 模擬試験や復習に必要な期間
- 受験希望日の空き状況
特に、仕事をしながら受験する場合は、申請、学習、受験予約を含めて余裕を持った計画が必要です。
取得後は継続的な資格更新が必要
PMP資格は、一度取得すれば永久に維持できる資格ではありません。取得後も継続的な学習と更新が必要です。
PMP資格を維持するには、3年ごとの更新サイクルで所定のPDUを取得します。PDUとは、Professional Development Unitの略で、継続的な学習や専門活動を示す単位です。
PMP資格保有者は、研修受講、ウェビナー参加、読書、講師活動、ボランティア、コンテンツ作成などを通じてPDUを取得できます。
この更新制度があるため、PMP資格は単なる一回限りの試験合格ではなく、継続的にプロジェクトマネジメントを学び続ける資格といえます。
PMPを目指す際は、試験勉強だけでなく、自分がこれまでどのようなプロジェクトに関わり、どのような役割を担ってきたのかを振り返ることも大切です。
私自身も、資格取得を通じて、それまで現場で経験的に行っていたことを体系的に整理する機会になりました。
PMP資格の難易度・合格率・勉強時間|新試験は難しい?
PMP資格は、難易度が高い資格とされています。
その理由は、受験資格として実務経験が求められるだけでなく、試験でも実務に近い判断力が問われるためです。2026年改定後の新試験では、AI、サステナビリティ、価値提供、事業インパクトなども含めて、より実務的に考える力が必要になります。
PMP資格の難易度が高いとされる理由
PMP資格の難易度が高いとされる理由は、主に3つあります。
1つ目は、受験資格として一定のプロジェクト管理経験が必要なことです。PMPは、これからPMを目指す方が最初に取る資格というより、すでにプロジェクト管理経験を持つ方が知識と経験を体系化する資格です。
2つ目は、出題範囲が広いことです。People、Process、Business Environmentの3領域を中心に、チーム、関係者、計画、実行、リスク、価値提供、ビジネス環境など幅広く問われます。
3つ目は、単純な暗記では対応しにくいことです。実際のプロジェクトに近い状況を読み取り、PMとして最も適切な判断を選ぶ問題が多く出題されます。
そのため、PMP試験では、知識の暗記だけでなく、実務経験と結びつけた理解が重要です。
PMP試験の合格率・合格ラインはPMIから公表されていない
PMP試験の合格率や固定の合格ラインは、PMIから一般向けに明確な数値として公表されていません。
インターネット上では、「PMP資格の合格率は何%」「何点取れば合格」といった情報を見かけることがあります。しかし、それらは公式情報ではない場合が多いため、参考程度にとどめる必要があります。
PMIの認定試験では、合格基準は心理測定に基づいて設定されます。つまり、単純に一定割合の問題に正解すれば必ず合格というより、PMPとして求められる職務基準を満たしているかを評価する考え方です。
そのため、学習時は「何%取ればよいか」だけにこだわるのではなく、各領域の理解度を高め、シナリオ問題で安定して判断できる状態を目指すことが大切です。
新PMP試験は180問・240分|実務に近い問題への対応が必要
2026年改定後のPMP試験は、180問・240分で実施されます。
問題には、単一選択、複数選択、ドラッグ&ドロップ、ケースやシナリオ、データやツールを使う実務的な形式などが含まれます。180問のうち10問は採点対象外のプレテスト問題とされています。
また、試験中には2回の10分休憩があります。ただし、休憩に入る前に確認を終えた問題には、休憩後に戻れない点に注意が必要です。
新試験では、People、Process、Business Environmentの比率も見直されています。
| 領域 | 出題比率 |
|---|---|
| People | 33% |
| Process | 41% |
| Business Environment | 26% |
この比率からも、PMP試験では、プロジェクトの進め方だけでなく、チーム、関係者、ビジネス価値、組織への影響を含めて判断する力が求められることがわかります。
PMP資格の勉強時間は実務経験や知識量によって異なる
PMP資格の勉強時間は、受験者の実務経験や知識量によって異なります。
すでにPMとして複数のプロジェクトを経験している方でも、PMIの用語や試験特有の考え方に慣れるには一定の学習時間が必要です。一方、プロジェクト管理の経験があっても、アジャイル、ハイブリッド、ビジネス価値、ステークホルダー対応などの知識に偏りがある場合は、追加学習が必要になります。
勉強時間を考える際は、以下の観点で見積もるとよいでしょう。
- PMBOK Guideや試験内容アウトラインを理解する時間
- 35時間研修を受講する時間
- 用語やプロセスを整理する時間
- 模擬問題を解く時間
- 間違えた問題を復習する時間
- シナリオ問題に慣れる時間
重要なのは、勉強時間の長さだけではありません。自分の弱点を把握し、試験範囲に合わせて学習計画を組むことです。
2026年改定後の出題内容に対応した勉強方法を選ぶ
2026年改定後のPMP試験に向けては、新しい試験内容に対応した勉強方法を選ぶことが重要です。
旧試験向けの教材や古い出題傾向だけに頼ると、AI、サステナビリティ、価値提供、Business Environmentの比重増加などに十分対応できない可能性があります。
学習では、以下を意識しましょう。
- 2026年改定後のExam Content Outlineを確認する
- People、Process、Business Environmentの出題比率を把握する
- 予測型、アジャイル型、ハイブリッド型を横断的に学ぶ
- AIやサステナビリティを実務シナリオの中で理解する
- 模擬問題で判断力を鍛える
- 単語の暗記ではなく、PMとしての行動選択を重視する
PMP試験では、「PMとしてこの状況で何をすべきか」を問われます。知識を覚えるだけでなく、実際のプロジェクトでどう判断するかを意識して学習することが大切です。
PMPの問題では、知識として正しいことを知っているだけではなく、「この状況ならPMとして何をすべきか」という判断が求められます。
自分の会社でのやり方や実際の現場で行ってきた判断を基準にするのではなく、あくまでPMIが示す考え方を理解したうえで問題を考えることが、学習のポイントです。
PMP資格にかかる費用と取得するメリット・価値
PMP資格の取得には、受験料だけでなく、研修費、教材費、模擬試験費用、PMI会員費などがかかる場合があります。
一方で、PMP資格を取得すると、プロジェクトマネジメント能力を体系的に示しやすくなり、転職、社内評価、PM育成、キャリアアップに活用できる可能性があります。
PMP資格の取得には受験料・研修費・教材費などがかかる
PMP資格の取得には、複数の費用がかかります。
代表的な費用は以下です。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験料 | PMI会員価格と非会員価格で異なる |
| PMI会員費 | 会員価格で受験する場合に必要 |
| 35時間研修費 | PMP受験要件を満たすための研修費 |
| 教材費 | 参考書、問題集、オンライン教材など |
| 模擬試験費用 | 試験形式に慣れるための模擬問題や学習ツール |
| 再受験料 | 不合格時に再受験する場合の費用 |
PMI公式では、PMP試験の受験料として会員価格と非会員価格が示されています。ただし、受験料や会員費は変更される可能性があるため、受験前に必ずPMI公式サイトで最新情報を確認しましょう。
企業でPMP取得支援を行う場合は、受験料だけでなく、研修費、教材費、学習時間、更新費用まで含めて設計することが大切です。
PMP取得でプロジェクトマネジメント能力を体系的に示せる
PMP資格を取得する大きなメリットは、プロジェクトマネジメント能力を体系的に示せることです。
PMのスキルは、履歴書や職務経歴書だけでは伝わりにくい場合があります。プロジェクトの規模、役割、成果を説明することはできますが、知識体系に基づいてPM力を示すには工夫が必要です。
PMP資格を持っていると、PMIが定める要件を満たし、試験に合格したことを示せます。社内評価、転職、顧客への説明、PMOや管理職へのステップアップなどで、一定の信頼材料になります。
ただし、PMP資格は実務力そのものを保証するものではありません。資格取得後も、実際のプロジェクトで知識を使い、経験を積み重ねることが重要です。
PMP資格は年収アップにつながる?
PMP資格は、年収アップにつながる可能性があります。
PMIの給与調査では、PMP資格保有者は、非保有者よりも高い中央値の給与を報告しているとされています。プロジェクトマネジメントの知識や実務経験を示せる資格として、採用や評価の場面でプラスに働く可能性があります。
ただし、PMP資格を取得すれば必ず年収が上がるわけではありません。年収は、業界、職種、企業規模、担当プロジェクトの規模、マネジメント経験、英語力、転職市場の状況などによって変わります。
PMP資格は、年収アップを直接保証するものではなく、キャリアや評価を高めるための材料の1つです。資格取得とあわせて、プロジェクト実績、リーダーシップ、関係者調整力、事業理解を高めることが重要です。
PMP資格は転職・キャリアアップにも活用できる
PMP資格は、転職やキャリアアップにも活用できます。
PMやPMO、ITコンサルタント、業務改革担当、DX推進担当、管理職候補など、プロジェクトを推進する職種では、プロジェクトマネジメント能力を示す材料が求められます。
PMP資格を持っていると、以下を示しやすくなります。
- プロジェクト管理経験があること
- PMIの知識体系を学んでいること
- 予測型、アジャイル型、ハイブリッド型の考え方を理解していること
- People、Process、Business Environmentの観点でプロジェクトを捉えられること
- 継続的に学習する姿勢があること
転職活動では、PMP資格だけでなく、実際に担当したプロジェクトの規模、役割、成果、困難への対応もあわせて説明できるようにしておくとよいでしょう。
PMP資格を取得する価値が高い人
PMP資格を取得する価値が高いのは、すでに一定のプロジェクト管理経験があり、PMとしての知識や経験を体系化したい方です。
特に、以下のような方に向いています。
- 複数のプロジェクトを管理してきたPM
- PMOとしてプロジェクトを横断支援している方
- PLからPMへキャリアアップしたい方
- 業界横断でPM力を示したい方
- 外資系企業やグローバル案件に関わる方
- 社内のPM育成やプロジェクト体制整備に関わる方
- プロジェクトマネジメントを体系的に学び直したい方
一方で、プロジェクト管理経験が十分でない方は、まず基礎研修や小規模プロジェクトでの経験から始める方がよい場合もあります。PMP資格は価値のある資格ですが、受験要件や学習負荷も高いため、自分の現在地に合っているかを確認することが重要です。
PMPを取得したからといって、それだけで優れたPMになれるわけではありません。ただ、これまでの経験を体系的な知識と結びつけ、自分のプロジェクトマネジメントを見直す良い機会になります。
資格取得後も、学習を通じて得た知識を現場で実践し続けることで、PMPの価値がより高まると私は考えています。
PMP資格取得を判断し、2026年改定後の新試験に向けて準備しよう
PMP資格の取得を検討する際は、難易度や費用だけでなく、自分の実務経験、キャリア目標、学習時間、企業内での活用方法まで含めて判断することが大切です。
特に2026年改定後の新試験では、AI、サステナビリティ、価値提供、ビジネス環境なども含めた実務的な判断力が求められます。受験を決めたら、最新の試験内容に合わせて学習計画を立てましょう。
まず自分が受験資格を満たしているか確認する
PMP資格取得を考える場合、最初に確認すべきなのは受験資格です。
学歴に応じたプロジェクト管理経験があるか、35時間のプロジェクトマネジメント教育を満たしているかを確認しましょう。
確認する項目は以下です。
- 最終学歴
- プロジェクト管理経験の年数
- 経験が直近10年以内に該当するか
- 複数プロジェクトの期間を重複して数えていないか
- プロジェクトで計画、意思決定、成果提供に関わっていたか
- 35時間研修を修了しているか
- 研修が受験要件に対応しているか
受験資格を満たしていない場合は、まず実務経験を積む、CAPMなど別の資格を検討する、基礎研修から始めるといった選択肢もあります。
35時間研修と新試験対応の学習計画を立てる
受験資格を確認したら、35時間研修と学習計画を立てます。
2026年改定後の新試験では、従来のPMBOK Guideやプロセス理解に加えて、AI、サステナビリティ、価値提供、Business Environment、シナリオ型問題への対応が重要です。
学習計画では、以下を組み込みましょう。
- 35時間研修の受講
- Exam Content Outlineの確認
- PMBOK Guideや関連資料の学習
- アジャイル、ハイブリッド、予測型の整理
- AI、サステナビリティ、価値提供の理解
- 模擬問題演習
- 間違えた問題の復習
- 試験直前の総復習
仕事をしながら受験する場合は、短期間で詰め込むより、数か月単位で学習時間を確保する方が現実的です。自分の業務繁忙期や受験希望日から逆算して計画しましょう。
PMP取得に必要な総費用を確認する
PMP資格を取得する前に、必要な総費用も確認しておきましょう。
受験料だけを見ていると、実際に必要な費用を見誤る可能性があります。研修費、教材費、模擬試験費、PMI会員費、再受験料、資格更新費用まで含めて見積もることが大切です。
個人で受験する場合は、どこまで自己負担にするのかを確認します。企業の資格取得支援制度を利用できる場合は、受験料、研修費、教材費、更新費用のどこまで補助対象になるのかを事前に確認しましょう。
企業としてPM育成を進める場合は、PMP資格取得支援を単発の福利厚生で終わらせるのではなく、PM育成計画やプロジェクト体制整備と結びつけることが重要です。
PMP資格についてのよくある質問
Q. PMP資格とは何ですか?
A. PMP資格とは、PMIが認定するプロジェクトマネジメントの国際資格です。プロジェクトをリードするための知識、経験、判断力を一定の基準で示す資格です。
Q. PMP資格は国家資格ですか?
A. PMP資格は日本の国家資格ではありません。PMIが認定する国際資格です。日本の国家資格としては、IPAが実施するプロジェクトマネージャ試験があります。
Q. PMP資格の受験には実務経験が必要ですか?
A. 必要です。学歴によって必要な年数は異なりますが、一定期間のプロジェクト管理経験が求められます。さらに、35時間のプロジェクトマネジメント教育も必要です。
Q. PMP試験の合格率は公表されていますか?
A. PMIから一般向けに固定の合格率は公表されていません。合格基準は心理測定に基づいて設定されるため、単純に「何点以上で合格」と考えるのではなく、各領域で安定して判断できる状態を目指すことが重要です。
Q. PMP資格の勉強時間はどのくらい必要ですか?
A. 必要な勉強時間は、実務経験や知識量によって異なります。PM経験が豊富な方でも、PMIの用語、試験内容アウトライン、シナリオ問題に慣れる時間は必要です。まずは自分の弱点を把握し、数か月単位で学習計画を立てるとよいでしょう。
Q. PMP資格は年収アップに役立ちますか?
A. 役立つ可能性はあります。ただし、PMP資格を取得すれば必ず年収が上がるわけではありません。年収は、業界、職種、実務経験、担当プロジェクトの規模、転職市場などによって変わります。PMP資格は、PMとしての知識と経験を示す材料の1つと考えるのが適切です。
Q. PMP資格は日本語で受験できますか?
A. PMP試験は日本語にも対応しています。ただし、試験の申込方法、言語設定、受験形式は変更される可能性があるため、受験前にPMI公式サイトで最新情報を確認しましょう。
PMP資格を正しく理解し、実務とキャリアに活かそう
PMP資格は、PMIが認定するプロジェクトマネジメントの国際資格です。日本の国家資格ではありませんが、業界横断でPMとしての知識や実務経験を示しやすい資格です。
2026年改定後の新試験では、People、Process、Business Environmentの3領域に加えて、AI、サステナビリティ、ステークホルダーエンゲージメント、価値提供、事業インパクトなど、現在のプロジェクト環境を反映したテーマが重視されています。
PMP資格を取得するには、学歴に応じたプロジェクト管理経験、35時間のプロジェクトマネジメント教育、試験対策、受験料などが必要です。取得後も、PDUを取得して資格を維持する必要があります。
PMP資格は、PMとしてのキャリアアップや転職、社内評価、PM育成に活用できる可能性があります。一方で、資格取得だけで実務力が十分に身につくわけではありません。資格で学んだ知識を、実際のプロジェクトで使える状態にすることが重要です。
タカハマプロジェクトでは、プロジェクトマネジメントについて学べるトレーニングコースを、「ビギナー向け」「PM経験者向け」にそれぞれご用意しております。PMP資格取得に向けた学習や、社内のPM育成を体系化したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
監修者紹介
高濱 幸喜(たかはま ゆきよし)
タカハマプロジェクト株式会社 代表取締役/PMP資格保有者
20年以上にわたり、IT・通信・金融・製薬業・製造業・建設業など多様な業界でプロジェクトマネージャーとして活躍。PMBOKに基づくプロジェクトマネジメント手法を現場で実践し、数百件を超えるプロジェクトを成功に導いてきた実績を持つ。現在は研修やセミナーを通じて、次世代のプロジェクトマネージャー育成に注力。プロマネ道場では記事監修を担当し、読者に信頼性の高い情報を届けている。
タカハマプロジェクトでは、プロジェクトマネジメントについて学べるトレーニングコースを、「ビギナー向け」「PM経験者向け」にそれぞれご用意しております。まずはお気軽にお問い合わせください。
