
エンジニアとして働いているけれど『このままでいいのだろうか…』『将来のキャリアパスが見えない……』と不安を感じていませんか? エンジニアとして日々スキルを磨いてきたけれど、この先のキャリアを長期的に考えたときに、不安を感じているというエンジニアの方も少なくないかもしれません。
この記事では、エンジニアにおすすめのキャリアパスとして、プロジェクトマネージャー(PM)をご紹介します。エンジニアのキャリアパスについて紹介し、エンジニアからPMへ転身する方法についてもわかりやすく解説しますので、今後のキャリアを検討中というエンジニアの方はぜひ記事を最後まで読んで、参考にしてみてください。
記事の監修は、実際にエンジニアからPMにキャリアチェンジし、現在も現役のプロPMとして活躍中のタカハマプロジェクト代表の高濱幸喜さんです。
エンジニアのキャリアパスには何がある? 簡単に解説
エンジニアのキャリアパスは、大きく下記の4つの道があります。
- スペシャリスト
- ゼネラリスト
- マネージャー
- フリーランス
自分の志向や強みに合わせて進むべき道を選ぶことが、納得のいくキャリア形成につながります。まずはそれぞれの特徴を簡単に解説します。
エンジニアのキャリアパスの例①スペシャリスト
エンジニアのキャリアパスで最も代表的なのが「スペシャリスト」になることです。特定の技術領域を深く掘り下げ、専門性を高めていく道です。
その分野の専門家であるスペシャリストは、研究開発や技術顧問といったポジションにもつながる可能性があります。市場ニーズの変化に影響を受けやすいため、常にスキルのアップデートが求められます。
エンジニアのキャリアパスの例②ゼネラリスト
エンジニアのキャリアパスには「ゼネラリスト」という選択肢もあります。複数の技術領域やプロジェクト経験を通じて、広い視野と調整力を磨いていく道です。
ゼネラリストは、異なるチームや部署との橋渡し役を担うこともあり、組織全体の最適化や上流工程への関与が求められます。知識の広さが重視されるため、組織内のまとめ役という立場に就くことが多く、将来的なマネジメント職へのステップアップにもつながります。
スペシャリストとゼネラリストの違いって?
『スペシャリストとゼネラリストは何が違うの?』という疑問を持った方も多いかもしれません。スペシャリストとゼネラリストの違いは「深さか、幅か」という点に集約されると言えるでしょう。
スペシャリストは特定領域に深く精通し、その分野の専門スキルを持っています。一方、ゼネラリストは多様な技術やさまざまな分野の知識の幅を持っていて、よりオールマイティなスキルを有しています。
スペシャリストとゼネラリストでは、どちらが優れているかやどちらがキャリアに有利かということはありません。自身がどのような働き方をしたいのか、どのような成果を挙げていきたいかなどをしっかり考慮し、選ぶべき道を検討することがいいでしょう。
エンジニアのキャリアパスの例③マネージャー
エンジニアが目指すもう一つのキャリアパスが「マネージャー」です。ここでいうマネージャーは、部署やチームの管理を担う管理職のマネージャーです。チーム全体のマネジメントだけでなく、意思決定に関わる機会も多くなります。
もちろんプロジェクトマネージャー(PM)として、プロジェクト全体を管理する道もあります。PMとしてのキャリアがおすすめの理由は、次のセクションで詳しく解説します。
エンジニアのキャリアパスの例④フリーランス
フリーランスのエンジニアとして独立するという道も、エンジニアのキャリアパスの一つです。これまでに培ってきたスキルを武器に、企業と契約ベースで働くスタイルです。
フリーランスの魅力は、働き方や案件を選べる点です。高収入を目指すことも可能ですが、営業や契約管理なども自分で行う必要があり、ビジネススキルも求められます。まずはエンジニアとして実務経験を積んだ後に選択する人が多いキャリアです。

スペシャリストのキャリアには「アーキテクト」という役割もあります。アーキテクトは、既存の技術に幅広く深いレベルまで精通し、通常のエンジニアでは対応できない複雑なシステムをどのように作るか道筋をたてたりします。
技術が好きな方はスペシャリストを目指すのも良いと思いますが、アップデートされ続ける技術をキャッチアップし続けるのは、年を重ねるとともになかなかつらくなってくるのも事実です。
エンジニアにPMというキャリアがオススメの理由
エンジニアとしての今後のキャリアプランを検討している方にとって、プロジェクトマネージャーは非常に現実的で、将来性のある選択肢であると言えるでしょう。
エンジニア出身のプロマネは技術面でのバックボーンがあるため、プロジェクト実施中に何らかのトラブルが発生しても現場とコミュニケーションをとって解決がしやすく、メンバーからの信頼を得やすいという利点があります。また、プロマネになる過程やなってからもマネジメント力や経営視点を学ぶことで、キャリアの幅が大きく広がります。
さらに、プロマネとしての経験は将来的に組織のマネジメント層や事業責任者といったポジションにもつながりやすいでしょう。10年後も活躍し続ける人材になるために、PMはエンジニアにとって有力なキャリアパスなのです。
エンジニアの経験を活かしてスキルアップができる
プロジェクトマネージャーは、エンジニアとしての経験をダイレクトに活かせる職種です。たとえば、過去に経験した開発の課題や成功体験は、プロジェクト計画やリスク管理に役立ちます。
また、技術者として培った論理的思考や問題解決力は、マネジメントの現場でも重宝されるでしょう。エンジニア時代に積んだ経験がPMとしての武器になるため、まったくの異業種に転職するよりもスムーズなキャリアチェンジが可能です。
プロマネの基本的な業務内容
PMは、プロジェクトの総責任者として計画から実行、管理、完了まで一貫して関与します。具体的には、要件定義からチームビルディング、スケジュール管理、コスト管理、品質管理、リスク対応などです。
また、ステークホルダーとの調整や進捗報告など、対外的なコミュニケーションも重要な業務です。多様なスキルが求められる責任の大きいポジションですが、その分、成長の機会やプロジェクトを成功に導いたときには大きな喜びを感じられる、やりがいの大きなポジションと言えます。
自分の経験上、年齢が高くなるにつれて、周囲からは「マネジメント」や「とりまとめ」を期待される傾向があります。
現場の作業は若くて体力のある世代に任せたい、というのが本音のようにも思えます。逆に言えば、これはどの世代であっても、なにがしかの需要があるとも言えます。
私がプロマネをお勧めするのは、前述したように、年齢を重ねても、プロマネという需要の高い仕事を続けやすいということも理由の一つです。
エンジニアからPMへキャリアチェンジする方法は?
エンジニアからプロマネへのキャリアチェンジを目指すには、段階的なステップを踏むことが成功の鍵と言えるでしょう。まずは小規模な案件でリーダー経験を積み、マネジメントの基礎を身につけていくことが一般的です。
業務の中では、プロジェクト全体を見る意識を持つことが大切です。スケジュール管理やメンバー調整などで全体を意識して行っていると、PMとしての視点が自然と養われていくでしょう。
また、PMO(プロジェクト マネジメント オフィス)としてプロジェクトに関わるチャンスがあれば、積極的に参加することもPMへのキャリアチェンジにつながるかもしれません。さまざまな形でプロジェクト経験を積み重ねていくことで、キャリアチェンジの可能性を高めることになります。
資格取得でプロジェクトマネジメントスキルを高める
PMとしてのスキルを体系的に学ぶには、資格取得が有効です。PMに関係する代表的な資格には、「PMP」や「プロジェクトマネージャ試験」などがあります。
どちらも取得の難易度の高い資格ですが、取得に向けた学習からプロジェクト管理に関する知識を学ぶことができ、資格を取得できれば専門性を証明できます。転職市場でも有利に働くため、キャリアにとってメリットになるでしょう。
年収アップや転職活動でも役立つ
PMとしての経験や資格は、転職活動やフリーランス転向時にも大きな武器になります。企業は即戦力となるマネージャー人材を常に求めているため、高年収帯での求人も豊富です。
また、プロジェクト全体を統括できるスキルを持つことで、より責任あるポジションへの昇進や、他業界への展開も可能になります。将来のキャリアに不安がある方こそ、PMというキャリアは強力な選択肢となるでしょう。
私自身、エンジニアからプロマネにジョブチェンジを行ったわけですが、独立してからプロマネの案件とエンジニアの案件での報酬を見ると、上に立って指揮をとったりマネジメントを行うという立場にはより高い報酬を出してくれる傾向があります。
もちろん内容にもよりますが、将来も見据えたときにプロマネという選択は悪くないのではないかと思います。
プロジェクトマネージャーという道を検討してみては?
この記事ではエンジニアのキャリアパスについて解説しました。プロジェクトマネージャーがおすすめの理由とともに、実際にエンジニアからPMにキャリアチェンジした高濱さんの経験談とあわせて紹介しましたので、エンジニアの方には参考になる部分が多かったのではないでしょうか。
なお、高濱さんが代表を務めるタカハマプロジェクトでは、プロジェクトマネジメントについて学べるトレーニングコースを、「ビギナー向け」「PM経験者向け」にそれぞれご用意しております。エンジニアからのキャリアチェンジを検討している方、プロジェクトマネジメントの基本を知りたい方、プロジェクトマネージャーとしてスキルアップしたいという方、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを検討しているという方は、下記のボタンよりお気軽にお問合せください。