PMP資格取得のメリットを解説! 年収は変わる? 転職には役立つ?

PMP資格取得のメリットを解説! 年収は変わる? 転職には役立つ?

プロジェクトマネージャー(PM)の資格の中で、国際的にも価値の高い資格である「PMP」。現在プロマネとして活躍中の方でPMP資格取得を目指し勉強中という方や、PMを目指している方では、プロマネになるためにPMP資格取得に向けて調査中という方も多いのではないでしょうか。

この記事ではそういった方の参考になるように、PMP資格取得によるメリットについて解説します。PMP資格の受験費用や合格ライン、資格の市場価値といった基本情報から、資格の難易度や取得のメリット、年収の変化や転職活動で役に立つのかというところまで、実際にPMP資格を取得しプロのPMとして活躍しているタカハマプロジェクト代表 高濱幸喜さんの監修でご紹介します。

キャリアアップのためにPMP資格取得を検討しているという方は、ぜひ記事を最後までチェックしてください。

PMP資格とは? 費用に合格ラインなど、基本を確認

まずはPMPの基本情報をご紹介します。PMP資格とは、Project Management Professionalの頭文字をとったもので、プロジェクトマネジメントのスキルを有していることを証明してくれる資格です。

アメリカの非営利団体Project Management Institute(PMI)が実施する資格で、PMPは国際的にも非常に価値の高い資格です。試験内容は、PMIが発行するプロジェクトマネジメントの知識体系をまとめたガイドライン「PMBOKガイド」が、ベースの一つになっています。

PMPの受験資格は?

PMP資格には受験資格が設けられています。「学歴」と「プロジェクトマネジメントの実務経験」、「35時間の研修」をクリアしなければ受験することができません。

実務経験に関しては、担当したプロジェクトを証明してくれる方の確認サインも必要になります。

受験費用はPMI会員と非会員で金額が変わる

PMPの受験費用は、PMIの会員か非会員かで金額が変わります。PMI会員の場合は405ドルですが、非会員の場合は655ドルが受験費用となります。なおPMI会員には、152.9ドルが年会費としてかかります。

PMPは、資格取得後に3年毎に更新をする必要があり、PMI会員は更新費用が60ドルに割引されます。非会員の更新費は150ドルです。

PMP資格の試験日は?

PMP資格の試験は、毎日実施されています。PMIの本部に申請し受験資格を取得した後に、試験の実施・監督を行うパートナー企業のテストセンターで申し込み手続きを行います。

PMIの受験資格は、審査完了の案内日から1年間有効で、有効期間内に3回まで受験することができます。

PMP資格取得の難易度は?

プロジェクトマネジメント関連では、PMPのほかに「プロジェクトマネージャ試験」や「P2M」、「PMOスペシャリスト認定資格」といった資格があります。PMPはこの中でも難易度が高い資格と言えます。

合格率は公表されていないため正確な数値は不明ですが、60%ほどではないかと言われています。合格ラインは正解率60%台と言われていて、2024年12月時点の日本国内のPMP資格保有者の数は、48,077人です。

合格に必要な勉強時間の目安は100時間以上となっていますので、勉強時間をいかに確保するかも大切になるでしょう。

PMP資格は3年毎に更新が必要

PMPは、資格取得後3年毎に更新が必要になります。PMIは、資格所有者向けのプログラム「CCR(Continuing Certification Requirements)」を提供していて、3年間を一つのサイクルとしてこの期間内に60時間の「学習」と「専門職として活動すること」を求めています。

PMP資格取得後、資格所有者は3年間のサイクルの中で「PDU(Professional Development Units)」と呼ばれる学習単位を、60PDU以上獲得する必要があります。PDUは、「1時間の研修を受講=1PDU相当」というのが目安と言われています。60PDUを獲得し、更新手続きを行い更新費用を支払い、監査を経て更新完了となります。

高濱 幸喜

私がPMPを取得したのは、プロジェクトマネージャーとしての仕事を始めてから5年ほど経過してからのことでした。

記事にもありましたが、PMPは取得するための勉強に加え、維持するための努力が求められます。

これは、常にPMであることの質を維持するという意味ではPMP資格の良い点であり、逆に言えば苦労する点でもあります(笑)。

PMP資格を取得することで得られるメリットとは

PMP資格は、取得の難易度、資格を維持するハードルも低くない資格ですが、それでも資格を取得できれば、大きなメリットがある資格です。

大きくは、以下がメリットとして挙げられます。

PMP資格取得のメリット
  • プロジェクトマネジメントのスキルアップ
  • ステークホルダーからの信頼、評価の獲得
  • キャリアップ、転職の際のスキル証明
  • 人脈の広がり
  • 年収アップにつながる可能性がある
  • グローバルに活躍する足がかりに

プロジェクトマネジメントのスキルアップは、資格取得に向けた勉強段階からメリットとなるでしょう。プロジェクトマネジメントに関する専門知識を学ぶことができるため、日々の業務においても役立つはずです。

資格を取得できれば、ステークホルダーからの信頼獲得につながりやすく、人脈も広がっていくことが多いです。人脈の広がりによって、キャリアアップにつながっていく可能性も高まります。

また、転職活動の際にはスキル証明になり、年収アップにつながる可能性もあるでしょう。

PMPは国際的にも高い資格価値

お伝えしたようにPMPは、資格を取得できればさまざまなメリットを受けられる資格です。IT業界だけでなく、建設業界などでも高く評価されている資格であり、国際的にもプロジェクトマネジメントスキルを証明できる資格価値の高さも大きな魅力と言えます。

PMPは世界共通の資格であるため、資格を取得できれば海外のプロジェクトなどでグローバルに活躍する足がかりとなってくれる可能性もあります。難易度や受験費用の高さといったハードルも低くないPMPですが、大きなメリットを受けられる資格となっていますので、受験を検討されている方は学習時間を確保し、挑戦してみてはいかがでしょうか。

私がPMPを獲得してから7年以上経過しますが、特に個人事業主として活動している身としては、経験上自分がプロジェクト管理知識を持っていることの裏付けとしてPMPが活躍してくれているように思います。

PMP資格を取得した場合の年収は? 転職に役立つ?

PMP資格取得のメリットをお伝えしましたが、取得検討中という多くの方が最も気になるのは、この先のキャリアでどれだけ役立ってくれるのかというところかもしれません。

PMIは、資格所有者に向けたアンケート調査を実施していて、その結果を「Project Management Salary Survey」として公表しています。

2023年版の結果によると、日本のPMP資格保有者の平均年収は1,000万円を超えていて、資格保有者はPMPを持っていない人と比較して給与が33%高いとされています。年収は経験年数やポジション、プロジェクト規模によって変わってくるため一概に言うことはできませんが、年収アップが多いに期待できる資格であることは間違いないでしょう。

PMP資格は転職活動でも多いに役立つ!

また、年収アップだけでなく転職活動でも、PMP資格を所有していると大きなメリットになります。2023年に日経転職版が900人以上の会員にアンケートを実施した「転職に役立つ資格ランキング」では、PMP資格が1位に輝いていました。

プロジェクトを管理し、成功に導いてくれるプロジェクトマネージャーへの需要は年々高まっていますが、そのスキルを証明してくれる世界にも通じる資格であるPMPの日本国内の資格保有者は48,077人です。希少価値の高さもあって、この先のキャリアで大いに役立ってくれるでしょう。

様々な転職サイトやフリーランス向けの案件紹介を検索すればわかりますが、プロジェクトマネジメントに対する報酬額は、比較的高額な部類に入ると思います。

逆に言えばそれだけ需要の高い職種であるということが言えます。事実、現場を見ていると、常にPMは不足しているという感覚を私は持っています。

なので、これからのキャリアを考える中でプロジェクトマネージャーを目指すという選択肢も大いにありではないかと思います。

今後のキャリアのためにPMP挑戦を検討しては?

この記事では、プロジェクトマネジメントのスキルを国際的に証明してくれる資格「PMP」について、PMP資格所有者であり、現役のプロマネとして活躍中の高濱幸喜さんの解説とともにご紹介しました。PMP資格を取得できれば実際の業務だけでなく、年収アップや転職活動時にも大きなメリットを受けられる資格です。受験を検討中という方は、今後のキャリアのために挑戦を前向きに検討されてはいかがでしょうか。

なお、タカハマプロジェクトではプロジェクトマネージャーとして活躍されている方や、これからPMとして活躍したいという方に向けて、PMP資格保有者による「ビギナー向け」、「PM経験者向け」のトレーニングコースをご用意しております。プロジェクトマネジメントの基本を知りたい方、プロジェクトマネージャーとしてスキルアップしたいという方は、下記のボタンよりお気軽にお問合せください。