
プロジェクトマネージャー(PM)として初めてプロジェクトを担当するようになった方は、『これからどうやってプロジェクトを管理していこう』と悩まれているのではないでしょうか。プロマネとしてプロジェクトを管理するのが初めての場合、まずプロジェクトマネジメントの基本的なところをおさらいして、どのような手法があるのか調べてみようという方も多いかもしれません。
この記事では、プロジェクトマネジメントの基本からプロジェクト管理に必要なスキルや手法、プロジェクト管理に役立つ資格を紹介します。記事の監修は、PMとして数々のプロジェクトを成功に導いてきたタカハマプロジェクト代表の高濱幸喜さんです。プロジェクトマネジメントに役立つ情報を掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください。
プロジェクトマネジメントとは?
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトの成功に向けた計画を立て、リソース、コスト、スケジュールといったプロジェクト全体を管理していくことです。
なお、プロジェクトマネジメントにおける知識を体系的にまとめた「PMBOK(ピンボック)」という参考文献があります。PMBOKは、プロジェクトマネジメントの世界標準となっているもので、多くのプロマネがPMBOKを学習し、プロジェクトマネジメントの現場で活用しています。
PMBOKについては、別の記事で詳しく解説していますので、詳細は以下のページでご確認ください。
プロジェクトマネジメントの具体的な仕事は?
プロジェクトにはさまざまな役割があり、具体的な仕事はその役割によって変わってきます。例えば、プロジェクト全体を管理するのはプロジェクトの総責任者であるプロジェクトマネージャーの仕事であり、プロジェクトチーム内のメンバーを管理する役割にプロジェクトリーダー(PL)がいます。
プロジェクトマネージャーの役割については、別の記事で詳しく解説していますので、詳細は以下のページでご確認ください。

プロジェクトマネージャーという役割が日本に登場したのは1980年代と言われており、その後IT業界でプロジェクトマネージャーの仕事が定着し始めたのが1990年代でした。
確かにIT業界では、プロジェクトマネージャーという仕事がある程度知られるようになったと思いますが、世に広く認知されているかというと、まだまだ知られていないという印象を持っています。
具体的な職種で近いものだと、建築現場の現場監督がイメージに近いのではないかと思います。
プロジェクトマネジメントに必要なスキルは?
プロジェクトをマネジメントするプロマネには、さまざまなスキルが求められます。それぞれのプロジェクトやプロジェクトの規模などによって異なりますが、プロジェクト管理には基本的に下記のようなスキルが必要です。
プロジェクトマネジメントに必要なスキル
- スケジュール管理能力
- コミュニケーション能力
- リーダーシップ
- 計画性と実行力
- 担当するプロジェクトの専門知識
- 問題解決能力
- ストレス耐性の高さ
プロジェクトには、進行過程において計画通りに進まないことや、問題が発生することが多くあります。そのため、上記のスキルに加えて問題が発生したときに的確に状況判断できる冷静さも大切なスキルと言えるでしょう。
プロジェクトマネージャーに必要なスキルについては、別の記事で詳しく紹介していますので、そちらから詳細をご確認ください。
プロジェクトマネジメントには、どのような手法がある?
プロジェクトを円滑に進めていくための手法には、さまざまなものがあります。最適な手法というのはプロジェクトによって異なるため、まずは手法の種類を理解しておき、プロジェクトに応じて採用する手法を変えるという形が最適解と言えるかもしれません。
プロジェクト管理でよく使われる代表的な手法は以下の通りです。
プロジェクトマネジメントの代表的な手法
プロジェクト管理全体の手法を定めたもの
- PMBOK
- PRINCE2
- ITIL
- Agile
- P2M
タスクの洗い出しにつかうもの
- WBS
- PERT
スケジュール管理に使うもの
- CCPM
- ガントチャート
- カンバン
上記には、例えばWBSとガントチャートを組み合わせて「スケジュール予定表」として使うような手法もあり、各手法それぞれに強みや弱みといった部分もあったりします。
PMとして活躍する未来を実現するために、プロジェクトマネージャーはそれぞれの手法のメリット・デメリットについて理解を深めておき、プロジェクトに応じて採用する手法を選択し活用できるようにしましょう。
経験もやっぱり必要?
プロジェクトを円滑にマネジメントするためには、やはり経験が必要になるのでしょうか?答えはもちろん「YES」でしょう。
プロジェクトでは、当初の計画通りに進むことの方が少なく、予期せぬトラブルに見舞われるということも多くあります。トラブルに対処するためには、対処法となる引き出しを多く持っていることが重要になり、そのような引き出しは経験によって身につけられるということが多いためです。
決して経験がすべてというわけではありませんが、プロジェクトを円滑に管理するためには、これまでのキャリアでいかに多くのトラブルを経験してきたかというところは、やはり必要になるでしょう。
本文では「経験がすべてではない」と書かれていますが、実際にはプロジェクト経験による学びがプロジェクトマネジメントを習得する一番の方法であることには違いありません。
プロジェクトを学ぶ他の方法として、経験者から学ぶという方法があります。プロマネトレーニングを受講し理解を深めるのも良い方法です。
タカハマプロジェクトでは、初心者向け、経験者向けのトレーニングを用意しております。内容については以下を参照ください。
プロジェクトマネジメントスキルを証明できる資格は?
プロジェクトを円滑にマネジメントするために、さまざまな手法やスキルを学びたいと、資格の取得を考えている方も少なくないかもしれません。ここからは、プロジェクトマネジメントに役立つ資格をご紹介します。
プロジェクトマネジメントに役立つ資格
- プロジェクトマネージャ試験|IPA
- PMP|一般社団法人 PMI日本支部
- P2M|日本プロジェクトマネジメント協会
- PMOスペシャリスト認定資格|日本PMO協会
上記がプロジェクトマネジメントに役立つ代表的な資格で、試験名と実施団体となっています。日本国内ではIPAとPMPが人気ですが、国際的な認知度ではアメリカの非営利団体PMI(Project Management Institute)が実施するPMPの方が高くなっています。
各資格の難易度は?
プロジェクトマネジメントに役立つ資格は、いずれも資格取得の難易度の高い資格であると言えます。特にIPAは必要とされる勉強時間の目安が50時間〜、PMPは100時間〜と言われていて、いかに勉強時間を確保できるかも重要な試験対策になります。
プロジェクトマネジメントができる人材への需要は年々高まっていますので、しっかりと試験対策を講じて資格を取得できれば、キャリアアップにつなげていけるでしょう。
日本国内でプロジェクトマネジメントの資格として人気なのは、PMPとIPAのプロジェクトマネージャ試験の2つだと考えます。
プロジェクト管理をきっちり勉強する意味ではどちらを狙ってもよいですが、世界的にはPMPの方が圧倒的に認知度が高いです。
紹介した資格は、その人がプロマネの深い知識を持っていることの証明となります。先に資格を取得するのがいいのか、経験を優先するほうがいいのかについては、私はどちらでも良いと考えます。
大事なことは、資格の勉強を通じて得た知識を現場に活かすことです。
プロジェクト管理の理解を深め現場で活かそう!
この記事では、プロジェクトマネジメントについての基本的なところからプロジェクト管理に必要なスキルや手法、具体的な仕事内容やプロジェクトマネジメントを学べる資格をご紹介しました。
プロマネ道場では他にも、プロジェクトに関するさまざまな情報を記事でご紹介しています。他の記事もご覧いただき、プロジェクトマネジメントやプロジェクトマネージャーのこと、さまざまな資格や手法について理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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